ニュース&トピックス

漢方の話…天のナーお月様つん丸(まる)こて丸(まろ)て丸(まる)に角無(かどの)うて添(そ)いよかろ
鉄砲洲診療所
沖山 明彦 医師

十五夜そう中秋名月は、今年は9月24日です。冒頭の言葉は三大民謡の「郡上(ぐじょう)踊り・かわさき」からです。満月は一日ずれて、25日です。朝晩の冷え込みと空気の乾燥は発汗や皮膚呼吸を低下させ、首・肩・背のこり、寝違え、頭痛を起こします。粘膜の乾燥から、咽頭炎、鼻炎、気管支炎になります。また、喘息も悪化しがちです。漢方では秋に肺と大腸(特に痔)が侵されやすいという考えがあり、痔が増悪するのも秋なのです。
痔かなと思ったら一度は外科、肛門科の診察をお忘れなく。痔で最初に選ばれるのが「乙字湯(おつじとう)」です。体力中等度で痔の痛みや出血、痒みが激しくはないが続き、便秘するものに用います。その他、特に女性の陰部の痛みやかゆみにも使われます。痔の強度のうっ血が強い場合(瘀血(おけつ))には、駆瘀血剤としてお馴染み「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」を併用します。また、脱肛には乙字湯にも配合されている生薬を含みかつ、気(この場合肛門)の落ち込みを引き上げる「補気剤(ほきざい)」を多く配合された「補中益気湯(ほちゅうえききとう)」を使います。痔の強い痛みに「甘草湯(かんぞうとう)」が頓服で用いられることがあります。漢方では珍しく「甘草」1種類からなる処方です。甘草は咳を抑え、喉の熱と痛みを除きますが、神経の興奮による急性の痛みに広く用いられ、胃の痛み、歯痛、打撲痛、そして痔や陰部の痛みにも応用されます。効き目が強いので、「亡憂湯(ぼうゆうとう)」「独勝湯(どくしょうとう)」の別称があります。ただし、甘草の量が多いので、その副作用(浮腫、血圧上昇、低カリウム血症など)から連用注意です。痔の外用薬で有名なのが「紫雲膏(しうんこう)」です。皮膚の熱を除く「紫根(しこん)」と局所の血流を改善する「当帰(とうき)」を主に豚脂(とんし)、ミツロウ、ゴマ油で、華岡青洲(はなおかせいしゅう)による「潤肌膏(じゅんきこう)」を参考に創られたものです。痔以外に軽い熱傷、浅い褥瘡、乾燥肌、乾癬、イボ、たこなどにも使われます。色が衣類につくと取れにくいのでご注意を。
人の出入りがあり、発つた人は、根津権現の近くへ。少し縁遠くなったが、いずれランブルで一服したい。花好きな新人はお連れ合い好みから「開運の涼々」で歓迎。さて、下呂温泉に行きます。酒は勿論だが、転倒に備え「下呂膏」も準備。